患者さんからよく「入院した方が安全・安心だ」といわれるときがあります。
しかし、本当にそうなのでしょうか?
世界的に、入院することにはたくさんのデメリット(弊害)があることが知られています。
その大きなものは上に示すように、①院内肺炎、②転倒・転落、の二つです。
どちらも入院したことによって発生し、それによって死に至ることもあります。
すなわち、入院することが必ずしも安全には繋がらない、ということです。
こういう側面からも、患者さんの安全を守るという意味での「入院期間の短縮」が社会的に求められています。
一方、安心ということについては、これは全くの個人的な主観ですので何とも言えない部分が大きいのもまた事実でしょう。
しかし、入院しても自宅にいても同じ医療を受けることができて、もしも自宅に居る方が安心するのでしたら、在宅医療でやってみる、というのも一つの選択肢ではないかと思います。
入院するのかしないのか、入院しなければいけないのか、ということについては、やはりかかりつけ医によくご相談いただいて、皆さんでよく考えることが大切なのではないかと考えています。
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