(敬愛する宇都宮宏子さんのスライドを改変させていただいています)
いまどきは、どこの病院(急性期)に入院しても、入院と同時に退院調整が始まります。
医療政策や病院経営や病床稼働率や救急受け入れや人手不足や超高齢社会などの問題から、現代の我が国では病院に長く入院することが大変困難な時代になりました。
入院したらすぐに退院の段取りを開始する、というのはどこの病院でも毎日普通に繰り返されているルーティンの作業です。
最近は患者さん側も事情をよく理解されておられるようで、昔のように「入院してすぐに退院の話なんかされても」なんて言われるようなことはほとんどなくなってきました。
そして、早急な退院を促された患者さんたちが、われわれのような在宅担当医にご紹介されてこられます。
しかしここで大切なことは、退院調整では、その前提として『退院支援=意思決定支援』がしっかりとなされていることが重要である、ということです。
支援なき調整はない、のです。
ここのところがしっかりされていないと、患者さんたちは「病院を追い出された」感いっぱいでわれわれのところにお越しになられます。
近頃は「退院調整」とはいわず「療養調整」というようです。
なぜなら、退院とは一回きりのことですが、患者さんの療養生活は続いていくので、そのこれからの療養を調整するという意味合いのようです。
意思決定支援に基づいた療養調整を行っていただくことができれば、患者さんたちの「病院を追い出された」感が少しでも減るのではないかと考えています。
MS